【中学受験の計算】これだけは守りたい3つのポイント ~計算は、算数の血液です~
計算は、考えを答えへと運ぶための血液です。
計算ができない……遅い……これは血液が循環していないのと同じです。非常に危ない状況です。
うちの子は大丈夫…と思っていても意外とできていません。恥ずかしながらNextStageの塾生もカンペキではありません。
今回は、これだけは守りたい3つのポイントをご紹介します。
①分数と小数を使いわけろ!
例えばこんな式…どうやって計算しますか?
□の( )の中から計算するのは間違いないですね。
ここで、計算方法が分かれます。
A 0.825を分数に直す!
B 3/8を小数に直す!
どちらが良いでしょう。
Aを選んだ人……………小学4年生か5年生で分数の計算を教わったときに、「小数は分数に直して計算しろ!」という先生のことばを信じて、ずっと守っている真面目な子です。すばらしい…けど、受験生としては…。
Bの方が良いですね。3/8を小数に直すのが大変そうに思いますが………そもそも一瞬で出てこない時点で失格です。1/8=0.125なので、3/8=0.375です。
よって、0.825-0.375=0.45(=9/20)がすぐに導けます。
なお、分数に直そうとすると0.825=825/1000=165/200=33/40になり、かなり気持ちが悪いです。
ちょっとしたことですが、こういう差が大きな差になります。
小数の扱いの原則 足し算・引き算⇒小数のまま、かけ算・割り算⇒分数で計算
ですので、□の中以外は分数で計算することになります。
②大きな分数で計算しろ!
続いてこんな計算です。
(0.25×0.0007×0.000032)÷(0.012×0.0042×0.0075)
…えっ!……何をどう間違えるの?……普通に計算すればよいのでは?……と思った大人の方、小学6年生を甘くみています。
中学受験生は大人でも解くのが難しい問題を解く力を持っています。しかし、思った以上に普通のことができません。
何が普通で、何が普通でないのか、彼らは知らないわけなので・・・。
受験生に解かせてみると、( )の中から計算しはじめる子もたくさんいます。
のように。
見ているだけで、0がたくさんで、祟(たた)られてしまいそうです。
普通の感覚であれば、
というような大きい分数に直すのが良いでしょう。
(パソコンで打っているので、分母、分数の積の小数点桁数が同じであることがさらにわかりやすいですね。)
頭の良い子は、割る数と割られる数の小数点以下の桁数が同じであることにすぐに気づき、
と、できるはずです。
まあ、どのように解いてもらってもかまわないのですが、問題を見た瞬間に
「桁数を間違えないようにしよう!」と思って、見やすいカタチを作れるかどうかです。
約分のこともありますので、大きな分数に直して計算できるときは、
大きな分数に直して計算してください。
これができていない人は、単位がからむ計算も心配です。
Q.たて5m、よこ12m、高さ1.5mの水槽に水を120L入れました。水の深さは何mmですか。
………底面積が……500cm × 1200cm= 600000 (cm2)で………
………アウトです。まとめて計算しようとする習慣がありません。
(水の深さ)=(水の体積)÷(底面積)であることは、大抵の受験生は知っているわけなので、
のように計算してほしいところです。
③まとめて計算!
もはや当たり前ですね。
6×6×3.14+8×8×3.14
のような計算です。
もちろん
(6×6+8×8)×3.14=100×3.14
ですね。
桁がずれたり半分になるような計算にも気づけるようになりましょう。
計算を子どもまかせにしていると、そのような工夫をしていない場合があります。時よりチェックした方が良いですね。
桁ずれ
158×3.8+15.8×12+1580×0.5
=(3.8+1.2+5)×158
=10×158
整数倍
334×15+117×4+585×1.2
=117×2×15+117×4+117×5×1.2
=(30+4+6)×117
=40×3.14
中学受験生にとってはこれから本格的な受験期へと突入します。
今までだらだらしていた受験生も少しずつ受験を意識し始める時期です。
算数の成績を上げたい!と思うことはすばらしいことですが、勉強方法を誤らないようにしましょう。
難しい問題ばかりに挑戦したり、過去問ばっかり取り組んだり………。
算数はスポーツと同じです。サッカーに例えるとわかりやすいかもしれません。
難しい問題ばかり解く→ボレーシュートの練習ばかりやる
過去問ばかり取り組む→毎回練習試合
…果たしてこれでサッカーがうまくなるかどうかです。
試合中の動きを確かめるために練習試合をすることは効果的ですし、ボレーシュートの練習で、もしかしたら試合中すばらしいシュートを決められるかもしれません。
しかし、勝負の大勢を決めるのは、ドリブルやトラップ、パスなどの基本的なボールの扱い方と体力です。
算数でいうと、問題を読みとる力と、計算をして答えを出す能力というべきなのでしょうか。どれだけすばらしい解法を知っていたとしても、問題を読み取れなければ間違えますし、計算ができなければ答えがでません。
今回紹介した絶対に守りたい3つのポイントを含めて、算数の基礎はなかなか固まるものではありません。偏差値66以上の方は別として、成績の伸び悩みの原因は基礎に問題がある場合がほとんどです。
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【中学受験算数】コップの水を移す問題の考察
今年も受験の天王山と呼ばれる夏期講習会を迎えました。
夏期講習会の前後では、志望校判定模試や志望校別模試など、各塾で開催されています。
NextStageでは生徒がいろいろと質問を持ってきます。
その中で気になった問題があったので考察してみます。
【問題】
下の図のようにA~Cのコップがあり、Aには水が満杯まで入っています。BとCのコップは空です。
コップの水を移すことにより、Aのコップの水を半分にします。考えられる手順のうち最小回数の手順を答えなさい。
算数っぽい問題でとても良いですね。
模試の解説には、「書き出しましょう!」と書かれていました。
(書き出すコツ?フィードバック制御のような図も書かれていましたが…。)
まあ、何も検討がつかないときは書き出すのが基本です。
ふむふむ…う~ん………
………面倒くさい。……イラつくほどに答えが遠のく………
こんなときは必殺技!EXCELくんの出番です。それぞれの操作をマクロに登録して、同じような動作が繰り返さないようにループさせれば………
あっという間に出来上がりです。
EXCELくんによれば9回の操作でできるとのこと。模範解答とも合致します。
ここからが本題…もっとスマートな解き方はないのか?
操作自体は単純、コップの容量により範囲が定められているとしても、やっていることはシンプルです。
EXCELくんのように数十万回の試行錯誤を数秒でできるなら「書き出そう!」で良いのですが、ふつうの受験生はそうもいきません。
そこで、この問題の攻略法を考えてみました。
考察① いろいろな条件で調べてみる。
コップの容量を変えて、いろいろ調べてみました。が、・・・よくわからない。
最小回数が1回→これはカンタン、BかCの容量がAの半分
最小回数が2回→これもカンタン、BとCの容量の和がAの半分
最小回数が3回→もうわかりません・・・・。
考察② 式の条件から答えを導いてみる。
⇒Aをx、Bをx-a、Cをx-bとおいて…………
……ひとつ大切なことを忘れていました。私にそこまで数学が得意ではないのです。……なので断念です。数学で解ける人がいたらぜひ教えてください。
考察③ 逆操作を考えてみる。
Aが半分になったところから、逆操作をたどってみましょう。今回の問題ならAが50mLがゴール。その1回前がなんなのかを考えます。
Aが50mLになるには、20mLにCの30mLを加える…今回はそれしかない…じゃあ20mLをつくるには、50mLからCの30mLを引く…これだとすでに50mLが途中でできてる…90mLからBの70mLを引いても良いか?…
…………………ひらめいた(^_-)-☆!……これです。コレ!…………Aだけに注目すればこの問題、かなり単純です。…………
Aだけに注目すると、Bの70mLの分減らすか増やすか、また、Cの30mLの分減らすか増やすか、これしかありません。
(BとCのやりとりはとりあえず無視です。)
さらに、Bの70mL増やしてから減らす、減らしてから増やす、というような操作は最小回数の条件を満たしません。(Cも同様)
つまり今回の問題でいえば、
Aの水の増減は
-50 = +70 × m - 30 × n …①
-50 = -70 × m + 30 × n …②
-50 = -70 × m - 30 × n …③
(今回③を満たさないことはあきらかです。なお、③を満たすのはA=B+Cのときだけなので、例外として扱います。)
このような式で表すことができます。(表現の簡易化のために+、-を使っています。算数で説明するときは式を変形して-が出ないようにするだけです。)
あとは、mとnに当てはまる組み合わせを見つけるだけです。
①なら、m=1、n=4
②なら、m=2、n=3
このようすはそれぞれ下の表に対応します。
表の上の段のAは、30を引く→30を引く→30を引く→70を足す→30を引く (m=1、n=4)
表の下の段のAは、70を引く→30を足す→30を足す→70を引く→30を足す (m=2、n=3)
あとこのままでは回数が合わないように思いますが上の表現のあいだにBとCのやり取り(★)をいれると、
表の上の段のAは、30を引く→★→30を引く→★→30を引く→★→70を足す→★→30を引く (m=1、n=4)
表の下の段のAは、70を引く→★→30を足す→★→30を足す→★→70を引く→★→30を足す (m=2、n=3)
(必ずあいだに★が入るのは、少し考えれば納得いくと思います。海に入るまえに砂浜を通るのと同じようなものです。)
よって回数は (m+n)×2-1で求まります。
なお、ここまで求められれば、具体的な手順を導くのも大変ではないです。
………問題の成立条件や、mとnに入る数とコップの容量との関係など、他にも気づいたことはありますが、書くのが大変なのでここまでにします。
最後まで読んでくれた方、ありがとうございました。
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【算数?理科?】金星が地球に最も近づくときの周期
四谷大塚組み分けテストの勉強に出てきたのでご紹介。
理科というより算数の問題です。
Q.金星と地球が最も近づいたとき(内合)から次に最も近づくまで何日かかりますか。
金星の公転周期を225日、地球の公転周期を365日として計算しなさい。
算数の池の周りの旅人算として解いてしまいましょう!
解説は終わりです。中学受験の算数の勉強をしっかりしていればもう解けるはずです。
答えは約587日です。
念のため以下解説です。
地球が1日で進めるのが、1/365 (周/日)
金星が1日で進めるのが、1/225 (周/日)
これを速さとして扱うだけです。
金星が地球を1周分追いつけば良いので
速さの差×日数=1周 という式を立てます。
(1/225-1/365)×□=1
でこれを計算すると
□=(225×365)÷(365+225)=586.6≒587日
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【中学受験算数】対角線が通る正方形の個数
中学受験の受験率がまだまだ低い川越地域・・・。中学受験だけが受験ではないですが、より有意義な中学・高校生活を送るためにも高校受験や大学受験同様に、選択肢のひとつとして持ってほしいものです。一方「中学受験の算数=難しい」と思われている方も多いでしょう。これはあきらかに教える人が悪いのです。「算数は基本的な考え方をもとに計算するだけ」です。かんたんです。このブログでは、テーマ別に中学受験の算数の考え方を紹介しています。中学受験をする方もそうでない方も参考になさってください。
Q.下の図のように、正方形がたて4に個、横に7個のならんだ長方形に対角線(AB)を引くとき、対角線が通る正方形の個数は何個ですか。
……ということで数えておしまいです。…10個です。
算数ってかんたんですね。本日は以上です。
ウソです。この問題は数えて終わりかもしれませんが、たてや横に並ぶ個数が増えたときにどう計算しなければいけないか、また、立体(直方体)になったときにどうするのか。かんたんな問題を使ってそのための考え方を見ていきましょう。
考え方と書きましたが、そもそも正方形の数え方が重要です。
まず今回の問題で、↓こんな感じで数えた方…
……別に良いのですが、これでは上手く計算に移れません。
計算に写すための正しい数え方は……
……こんな感じです。……えっ、よくわからない……大丈夫です。そのうちわかります。
このときの数え方のポイントは直線ABだけを見ることです。正方形には注目しません。
そうすると、直線ABが正方形のたてとよこの線によって、区切られているように見えると思います。↓イメージ
で、今回は、今回はこの線と線で区切られた間が、正方形ということです。
つまり、9本の線で分けられているので、10個の正方形を通るということです。
ということでこの問題の考え方のポイント
通る正方形の個数は区切られる線の数でわかる!
受験生に教えるのであればこれで十分ですね。区切られる線の数は、「とやかく言わずに計算しろ!」で終わりです。逆にこれ以上説明すると頭が混乱することが多いです。区切られる線の数も間の数の関係が存在するので、ややこしくなるからです。区切られる線の数が計算できないという受験生は小学校4年生から勉強し直して下さい。(いやみではなく”本当に!”です)
なお、気になる人のために、この問題を公式化すると、
たてにA個、よこにB個の正方形の対角線が通る正方形の個数は
(A-1)+(Bー1)+1 (AとBは互いに素)
になります。
がっ!………これを覚えさせるのはどうかなぁというところです。
なお、たてとよこの個数が互いに素とではない問題も、一度は経験させておきましょう。
互いに素でないときは、たてとよこの線が一点で交わる箇所ができますので、ようすが少し変わります。このときは規則を利用して解きましょう。
たとえば、たて4個、横6個の場合……
あきらかに、たて2個、横3個の2倍です。
たて2個、横3個の場合、区切り線は、3本(縦線2本、横線1本)なので、通る正方形は4つ。ですので、たて4個、横6個のときはその2倍の8個の正方形を通るのです。
なお、先ほども触れましたが、この考え方は立体でも使えます。
Q.下の図のように、立方体を積み重ねました。AからBにまっすぐな針金を突き刺すと、何個の立方体を通りますか。
考え方は平面のときと同じです。区切り線が(4+3+2=)9本になるので、通る立方体の個数は10個です。
今回はここまでです。中学受験生に教えるのであれば、区切り線を考えろ!ぐらいでとめておくほうが無難です。どうせ大して覚えていないのですから…。
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